2025.01.31
伝導EMIテストに影響を与える要因

EMIテストにおける伝導エミッションは、LISNや絶縁トランスなどの機器を介して電力システムを通じて伝送されるRF信号を測定するために使用されます。伝導EMIテストでは、環境や配線から他の信号が拾われ、測定エラーが発生する可能性があります。

この実験の目的は、同じ機器を使用していても、ケーブルの種類や配線、ケーブルの配置の違いによって結果が異なる可能性があることをユーザーに理解してもらうことです。

【アンテナ効果の発生】
配線で発生する可能性のあるアンテナ効果を次の図に示します。
測定結果に影響を与える可能性のある要因としては、ケーブルの種類、ケーブルの配置、フローティングの有無などがあります。

伝導EMIテストに影響を与える要因

まず、RG58U、RG400、電気店で購入したBNCケーブルなど、さまざまな種類のBNCケーブルを使用して、スペクトラムアナライザーとLISNを接続しました。
次に、テストシステムをRFアイソレーションチャンバーに配置し、3種類のBNCケーブルのパフォーマンスが同様であることを確認しました。

伝導EMIテストに影響を与える要因

(Purple: RG58U, Blue: BNC cable purchased from an electronics store, Yellow: RG400)

次に、テストシステム全体をRF分離チャンバーから移動し、屋内でテストを実行しました。高周波数帯域付近でノイズが発生していることが確認され、この周波数帯域で一部の信号が結合されている可能性があることがわかりました。RG400を除く他の2本のケーブルは、ノイズを拾っていました。

伝導EMIテストに影響を与える要因

(Purple: RG58U, Blue: BNC cable purchased from an electronics store, Yellow: RG400)

次に、LISNの入力ポートから出力ポートに電源ケーブルを直接接続する、より極端なケースをテストしました。
驚いたことに、多くのノイズが発生しました。実際、この時点で、低周波ノイズを受信しやすいLISNにループアンテナ効果が発生していることが示されています。

伝導EMIテストに影響を与える要因

伝導EMIテストに影響を与える要因

(Purple/Blue: Switching to LISN 9 k/150kHz filter under normal connection. Yellow: Circuit condition.)

EMIラボでは、RFケーブルや電源ケーブルの配置に関する規制があります。しかし、デバッグや事前テストの段階では、ラボと同じ環境を再現することが難しい場合があり、その結果、測定エラーが発生する可能性があります。
この記事で説明したテストを通じて、伝導EMIテストでも環境やケーブルの種類によって測定結果に違いが生じる可能性があることがわかります。これらは、EMIテスト環境を確立する際に考慮すべき要素です。

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